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  ●酵素が不足すると未消化の栄養が血液中にただよう
皆さんは、「酵素」と聞いてどんなものを思い浮かべるでしょうか。一般的なところでは、「酵素入り」の衣類の洗剤などがありますが、これは酵素が食べこぼしのシミやアカなど、タンパク質や脂肪によるしつこい汚れを分解する効果をうたったものです。
この酵素という物質は、私たちの体内にも存在し、代謝や消化をはじめ、生命を維持するためのあらゆる化学反応を進める重要な働きをします。つまり、酵素が体内で適切に働いているからこそ、体温を保ったり体を動かすエネルギーをつくることができるのです。人間は体内で数千種もの酵素をつくり出しています。ここで特に注目したいのは、栄養分を細かく分解し、体内にとり込む働きをする消化酵素です。食べ物はまず口のなかで噛み砕かれ、デンプンやグリコーゲンは唾液に含まれるアミラーゼという酵素によって分解されます。タンパク質は胃液の酵素によって分解されます。タンパク質は胃液の酵素・ペプシン、膵液のペプチターゼなどによって、さらに脂肪は胃液、膵液、腸液に含まれるリパーゼによって、それぞれ体に吸収されやすい形に分解されます(イラスト参照)。ところが、乱れた食事や不規則な生活などの影響により酵素が食物を十分に消化し切れなくなると、消化し切れなかったタンパク質やデンプン、脂肪が未消化のまま吸収されてしまいます(右の写真参照)。すると、これらが血中をただよい、体にさまざまな悪影響を与えるのです。
 


  ●酵素たっぷり食品で加熱調理で損失した酸素を補給する
酵素不足によって血液中にふえた未消化の栄養素は、プラークと呼ばれるかたまりをつくったり、赤血球をくっつけて、血液をドロドロにする原因となります。その結果 、血液の流れが悪化して慢性疲労や高血圧などを招いたり、血栓が詰まって心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしかねません。最近の医療技術の進歩により、「生きた血液」の状態を顕微鏡で見られるようになると、こうした血液からさまざまな病気の情報も読みとれるようになりました。未消化の栄養素のかたまりであるプラークは血中にただよっている異物をも吸着します。排ガスやタバコのタールで真っ黒になったかたまりが血中に見られることもあります。また、痛風の原因である尿酸値が高くなると、結晶化した尿酸が血中に見られます。さらに、酵素が不足した状態がつづくと、赤血球自体の寿命も通常の半分まで縮めてしまい、深刻な病気の原因にもなるのです。 赤血球には体調の変化が如実にあらわれ、人の赤血球にトゲのような突起が見られます。もっとも、野生の動物がこうした現代病にかかることはありません。というのも、私たちが食べる肉、魚、野菜、果物などは、いずれもその食物自身を分解する働きを持つ酵素を含み、体内で食物の消化を助けてくれるからです。ところが、酵素は非常に熱に弱く、50〜70度で壊れます。つまり、加熱調理したものばかりを食べる現代人は、食べ物からの酵素をほとんど摂取できないのです。そもそも、動物が自分で生産できる消化酵素の量には限界があります。ですから、人類は加熱調理のおいしさを覚えて以来、いっぽうで酵素不足というたいへんな損失をかかえてしまったのです。つまり、綺麗でサラサラな血液を作って現代病を克服するカギは、まず酵素をたっぷり含む食べ物、すなわち生の食品を食べることなのです。とはいえ、すべての食事を生で食べるのはむずかしいものです。そこで、サラダやデザートの果物、刺し身など、少なくとも1食1皿は生食をとり入れるといいでしょう。また、納豆やチーズ、味噌など、酵素を大量に含む発酵食品もおすすめです。さらに、ほかの食品の消化分解も助ける酵素食品との食べ合わせを工夫し、サラサラの血液を保ちたいものです。
傷みやすい食品や熟れた果物にこそ酵素が豊富に含まれる
パパイア、バナナ、パイナップル……。これらの果物は、いずれも傷みやすい点で共通しています。というのも、これらは酵素の含有量が多いために、自身の実をもすばやく分解するからです。また、まだ青い未成熟の果実より、たっぷり熟れた果実のほうが酵素が豊富です。樹上で果実が熟すうちに、より多くの酵素が生産され、蓄積されているのです。どんな食品も、生ならそれ自信を分解する酵素を必ず含んでいます。タンパク質が多い食べ物にはタンパク質分解酵素が豊富です。魚の場合も同様で、刺し身で、しかも傷みやすい魚を新鮮なうちに食べるほうが、酵素がより多く含まれているため、未消化になることが少ないといえるでしょう